テンカラオフシーズンの旅④2022-2023

『渓語り』瀬畑雄三著 冬樹社

”テンカラ先生とポンサを訪ねて”p.202

 

前回投稿の続き、瀬畑雄三著『渓語り』にとても面白いはなしを見つけました。

瀬畑雄三さん、石垣尚男さん(テンカラ先生)、川島和志夫さん(ポンサ)、鈴木武夫さん(足助竿師)による、テンカラのアワセについてのエピソード。

 

当時、化学的根拠(ヤマメは毛鉤を0.2秒で離す)による早アワセを論じた石垣尚男さんと、東の遅アワセ「日光テンカラ・瀬畑雄三さん」と西の遅アワセ「奥三河足助テンカラ・川島ポンサさん」による出会いから釣行までの様子が書かれています。

 

この頃のテンカラを取り巻く環境というものは本当に面白く、当時のメディアを見ると今では想像もつかないほどいろいろなテンカラ師の顔があり技があり、本当に一人一派の時代があったのだなと思い知らされます。

 

日本各地でレベルの高いテンカラ論争があったその根底には、それぞれの名人が誰に教わるでもなく自らの実釣実験の末に完成させた持論があり、ある種”誇り”を賭けたものがあったのだと思われます。それがまた、当時のテンカラシーンを面白くした要因なのだと思います。

 

ちなみにテンカラの遅アワセ論は1980年頃を境に少しずつ勢力を強めて現在の主流になったと思います。

おそらくこの頃にフライフィッシング釣法と大きく交わったことが背景にあるのではないでしょうか。

前回にご紹介した前日光・小来川の籠作さん、そして今回の川島ポンサさんのテンカラを知り益々そのような気がしてきました。

 

テンカラオフシーズンの旅は続きます。

 

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